大隅半島の辺塚というところにキャンプに行きました。
キャンプをした浜 |
そこは、湾に流れ込む川が砂浜をかこむように流れていて、
なんとも不思議な光景の砂浜でした。
大隅半島の緑は、川内よりもひときわ濃い緑色です。
その森から流れてくる川は、
7月だというのに冷たくて、
ずっと足をつけていられないほど。
テントを張ったりしてキャンプの準備をしていると、
一頭のウミガメが海から砂浜へ上がってきました。
砂浜をズリズリと這ってしばらくうろうろした後、
そのウミガメは卵を産み始めました。
ウミガメが一度に産む卵の数は
100個以上らしく、
長い時間をかけて産卵を終えました。
卵を産んだ後は、
砂をかけてもとどおりにしていました。
何があったのか分からないくらい、
丁寧に、丁寧に…。
そして、
ウミガメは再び海へ帰って行きました。
後には、カメの這った跡だけが残っていました。
夢のような出来事でした。
ふつうウミガメの産卵は夜に行われるらしいのですが、
私が遭遇したのは夕方でした。
異常行動といわれるものかもしれません。
あれから10年、
まだ鹿児島に住んでいるけど
ウミガメには一度もあっていません。
しかし原発問題を考えるようになって、
ウミガメの写真を度々目にするようになりました。
川内で起きているサメやウミガメの死亡漂着の写真です。
私は今まで、
南方に住むウミガメが、
死んで川内の浜に流れつくのだと思っていました。
「環境影響評価書」にも
ちゃんとアカウミガメのことが書いてあったのに、
川内の砂浜にウミガメが産卵に来ていることに気がつきませんでした。
今回「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会会場で、
「死亡漂着写真展」をして初めて
川内にウミガメが産卵に来ていることを知りました。
ウミガメの産卵の記録 |
この記録を見ると、
3号機増設のための埋め立て予定地にも、
今年の夏、たくさんのウミガメが産卵に来ていたことがわかります。
さらにいろいろ調べてみると、
MBC「ウミガメール」というものがあって、
川内の産卵の情報もたくさん寄せられています。
ウミガメパトロールの人たちは、
ウミカメが上がってこられるように
流木を片づけるなど清掃活動もされているようです。
地元小学生も保護活動に取り組んでいます。
10年川内に住んでいるけど、
知らないことばかりでした。
さらに、
日本でいちばんウミガメの産卵があるのが、
鹿児島県なのだそうです。
しかし、ウミガメは世界的に絶滅の危機にあるらしく、
貴重な野生生物を守るために、
「鹿児島県ウミガメ保護条例」(S63)を制定して、
県民一体となって保護をしているそうです。
しかし、
川内に住む私の友人も
「川内にウミガメが来るなんて知らなかった」
と言います。
以前にこのブログで
「川内の海は壊れました」と書きました。
しかし、
私は自分の目で川内の海をまだよく見ていませんでした。
ウミガメはまだ川内に来てくれています。
0 件のコメント:
コメントを投稿