それまで私は福島に原発があることを知りませんでした。
↓こんな地図を見たことはあったけど、ぼんやりと眺めていただけでした。
日本の原発 |
その日は薩摩川内市の
「原子力発電所対策調査特別委員会公聴会」でした。
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原発公聴会(「市議会だより」より) |
川内原発の3号機増設の賛否を審査するための公聴会ということで、
賛成、反対の立場から市民が3人ずつ、
学識経験者が1人ずつ意見を述べました。
そのときの反対の立場の学識経験者が
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生でした。
市民も学識経験者も持ち時間はたったの10分。
「10分しかないので私はこのことだけに絞って説明します」
と小出先生が言われて見せて下さったのがこの図でした。
自分の給電範囲から原発を追いだした東京電力(東京電力の冊子より) |
「東京電力の原発は福島と新潟にある」
「人口密集地に原発を作らないのは原発が危険だからだ」
そういう説明でした。
さらにこういう説明が続きました。
原子力安全白書 |
「安全というのは神話であり、過剰な信頼であり、過信であり、
事故の風化であり、分かりやすさの追求であり、願望でしかない」
「電力会社も原発が安全とは思っていない」
「なぜなら原子力損害賠償法という法律によって、
もし大事故が起きたとしても電力会社は
限度額以上の賠償をしなくてもよいことになっている」
原発大事故時の賠償限度額 |
「絶対に安全で事故が起きないというのなら
なぜ限度額を決めておく必要があるのだろうか」
「原発は危ない、
事故は起きるかもしれない、
と一番よく分かっているのが電力会社なのだ」
このことは他でも聞いたことがありました。
「電力会社の社員は原発の近くには住まない」
というものです。
薩摩川内市の九電社宅があるのも、
原発から10km以上離れた川内駅裏のH町というところです。
3号機の増設が持ち上がってから公聴会までの1年余り、
市民も議員も賛成、反対と言ってきました。
賛成陳情をする人の主張はいつも
「27年間の安全運転の実績と信頼」
「雇用、活性化」
「CO2削減」
ほとんどこの3点ばかりでした。
薩摩川内市民が信頼している安全運転を
電力会社自らが信じていないということになります。
そして九州電力の原発もまた一番の電力消費地であり、
九電本社のある福岡県にはなく、
佐賀県と鹿児島県にあるのです。
九電の原発 |
「原発は危険である」
「その危険を一部の人に押しつけなければ原発を動かすことはできない」
「だから原発を作ってはいけない」
それが小出先生のお話でした。
その日会場に集まっていた人のほとんどが
薩摩川内市民であったと思います。
「みんなが便利な生活をするために
私たちは危険を引き受けさせられている」
その現実が私たちに突き付けられました。
この説明が薩摩川内市民全員に届いてほしいと思いました。
しかし、その後の原発委員会で
この公聴会での内容が議論されることもなく、
わずか6日後の26日に賛成陳情が採択、
反対陳情が不採択となりました。
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公聴会の後 |
4月26日はチェルノブイリ原発事故が起きた日、
その日は事故から24年目という日でした。
そして、私が福島にある東電の原発のことを知ってから1年もたたないうちに、
その原発が大変な事故を起こしてしまいました。
「東電と福島と小出先生(つづき)」に続く
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